« 山下達郎 Performance2011-2012 @市川市文化会館 2011.11.6 | トップページ | さかいゆう TOUR2012 “How's it going?”@LIQUIDROOM 2012.6.3 »

山下達郎 Performance2011-2012 @沖縄市民会館 2012.5.12

「いつも僕の音楽を聴いてくださる方々、ライヴに足を運んでくださる方々のためになら、音楽で少しでも癒したり、慰めたり、力づけたりすることができるのではないか。。という想いをもってツアーを進めてきました。今日ここにお集まりのひとりひとりの心のために、『希望という名の光』という小さな1曲を、心を込めて歌わせていただきます」

昨年11月よりスタートした、山下達郎氏の日本全国64公演にも及ぶロングツアー。すべての想いはこのMCに込められていたなぁ・・と思う。音楽でいったい何が出来るのか?に対する氏の答えが、先に発売されたアルバム「Ray Of Hope」であり、今回のツアーでの全身全霊をこめたパフォーマンスだった。

ファンなら一度は体験してみたい、憧れの千秋楽の地は那覇空港から車で40分程離れた、沖縄市にあるちょっと古ぼけた市民会館。前回ライヴを行った那覇市内の立派な某施設では、ステージ上から「次回はもっと音のいい北にあるホールにしてください」とイベンターの方に注文をつけたという、達郎氏らしいエピソードつきだ。

オープニングは、意表を突かれた『THE THEME FROM BIG WAVE』 ステージ上で歌うのは初演以来27年ぶりとのこと。初日の市川市文化会館でのどよめきは相当なものだった。続いて演奏されたのは、お馴染みの『SPARKLE』 前奏のカッティングの音や、美しいメロディーラインを聴く度に、あぁ山下達郎のライヴに来たんだなぁ・・という感慨に酔いしれてしまう。

3曲目は、これもほぼ定位置になった『DONUT SONG』 季節によって「お正月」「春よこい」「こいのぼり」などを冒頭にはさみながらの演奏も恒例だ。沖縄では、母の日前だということで、マイナーコードでやりにくいと言いながらの「母さんの歌」だった。続いてギターを持ち替えての『素敵な午後は』 で、会場は一気にメロウな雰囲気に。

今回は250曲以上のレパートリーの中から、悩みに悩んだ末の、新旧織り混ぜたセットリストだと前置きした上で、ニューアルバムからの数曲が続く。特に『プロポーズ』のような人の心の機微を歌詞にした内省的な曲は、以前の達郎氏にはあまりなかった側面だろう。ただ、この歌詞に関しては、アラサー女子からの賛辞とクレーム?の両論があり、「たかが歌。歌詞に過度な思い入れをもったものをフォークという」という毒舌MCには大いに笑わせてもらった。

そして、前半のハイライト「SOLID SLIDER」 新加入したサックスの宮里陽太氏とキーボードの難波弘之氏の壮絶なソロ・バトルは本当に聴き応えがある。宮里氏は、弱冠28歳のストレートジャズプレイヤーとのことだが、その瞬発力のある演奏と、回を重ねるごとに磨かれていくフレーズには驚かされる。特に、千秋楽での演奏では、しばらく拍手が鳴り止まなかった程、観客の心を突き動かす素晴らしい出来だった。それに呼応した、難波氏の円熟したプレイもこれまた甲乙つけ難く、毎回披露していたスキャットも控えめにしてしまったくらい、白熱した演奏を魅せてくれた。終わった後の達郎氏のコメント「毎回コレをやればいいのに・・」も気が効いていて、最大の賛辞を送っていた。

『俺の空』では、佐橋佳幸氏とギターバトルを延々と繰り広げ、ロック魂を観せた後には、『雨は手のひらにいっぱい』 シュガーベイブ時代の懐かしい曲で前半を締めくくった。

中盤のアカペラのコーナーへ。 今回のステージセットは、何処かのローカルタウンのストリートを模したものだと説明しながら、傍らにラジカセをセット、大道芸人風に帽子を置いた上で始めたのは、なんとオフ・マイクでの『Don't Ask Me To Be Lonly』 静まり返ったホールに、達郎氏の生声が響き渡る。これはもう鳥肌もの。某ホールで、私は3階のいちばん後ろの席で聴いたが、本当にクリアに聴こえてきて驚いた。これが、達郎氏がホールツアーに拘る理由なのだと、その歌声が証明していた。終わった後の鳴り止まない嵐のような拍手、人の歌声に勝る楽器はないのだということを再認識されられる、圧巻のパフォーマンスだった。

そして、自身が作曲した和製アカペラだという『おやすみロージー』をはさみ、クリスマスソングが流れる中、『クリスマス・イブ』~『希望という名の光』~『さよなら夏の日』 心に深く沁みいるバラードを。未曾有の大震災の絶望と不安の中で、ラジオから聴こえてきた『希望という名の光』に涙した日々を一生忘れずに生きていこうと思う。この曲は、作った本人の手を離れ、特別な意味をもつ1曲になったと言う通り、これからも大切に歌い継がれていく曲だろう。意図したものではなく、こんなにも人々の心を動かす曲が生まれるのは、やはり40年近い歳月の中で、真摯に音楽と向き合ってきた結果なのだろうなぁ・・と、涙がとまらない中しみじみと聴いた。

中盤の最後は『BOMBER』 伊藤広規氏の超絶グルーヴに熱狂、時代を超えて熱くうねるベースラインは、人々を歓喜の渦に巻き込む。さらに、ラストでの小笠原拓海氏のドラム・ソロ。ツアー3年目、天才ドラマーの安定感をまざまざと見せつけられる素晴らしいパフォーマンスに、三度拍手の嵐。

そして、後半の「お賑やかしタイム」では、最長不倒ナンバーである『Let's Dance Baby』で総立ちになり、恒例のクラッカー!『高気圧ガール』『アトムの子』で最高に盛り上がり、本編終了。ここまでで、すでに3時間超え!!一度、メンバー全員がステージ最前列に整列して挨拶した後、舞台袖に捌けて、いつもならここで再登場・・のはすが、なぜか達郎氏ひとりだけで、しきりに舞台袖に向かって手招きをしている。「せっかくの千秋楽なので、変わったことを・・・」と言いながら、登場してきたのは竹内まりやさん。達郎氏とのデュエット曲『LET IT BE ME』で美しいハーモニーを聴かせてくれた。私は、今回初めておふたりが揃っていることころを拝見したが、その立ち姿が絵になるご夫婦だなぁと感じた。まりやさんがとても緊張しているように見え、何度か達郎氏に視線を向けるのだが、照れくさいのか氏が伏し目がちなところが微笑ましかった。

そして、いよいよ怒涛のアンコールへ。再びメンバーを招きいれ、『街物語』~『RIDE ON TIME』~『恋のブギ・ウギ・トレイン』 で、会場はもうディスコ状態!達郎氏の「肉体は歳をとっても、心はいつもNEVER GROW OLD!!」の掛け声で、もう熱狂の渦。輪をかけるような、達郎氏の凄まじい迫真のギタープレイに、観客も最高潮。一息ついて、オーラス前の1曲は『いつか』 吉田美奈子さんの素晴らしい歌詞に聴き惚れる。達郎氏の数あるナンバーの中でも大好きな曲が演奏されたことで、本当に感激の涙、涙。。 ラスト・ナンバー『YOUR EYES』 前では、「バカな政治家ども」に苦言を呈しながら、「こんな世の中でも、我々は日々を生きていかなければいけない。少しでも前に進むために、好きな言葉ではないが、この先もがんばっていきましょう」と締めくくった。4時間にも及ぶライヴだった。

ある音楽評論家の方が、ブログで綴っていた言葉「山下達郎の音楽を知らない人生と、知っている人生」 今回も、同じ時間・感動を共有し、余韻を語り合える仲間に恵まれたことを本当に幸せだと思った。某バーにて、私の達郎話に付き合ってくれた皆さんにも感謝。

達郎氏は、「三波春夫さんや加山雄三さんのように、70歳を過ぎても気持ちよく『RIDE ON TIME』を歌っていたい」という、力強いコメントもされていた。そのステージが続く限り、1回でも多くその勇姿を見届けていきたいと思う。そして、この素晴らしい音楽が次世代へと引き継がれていくことを、強く強く願うばかりだ。

来年2013年に行われる予定の、「還暦ツアー」が今から待ち遠しくてたまらない。

山下達郎さん、バンドの皆さん、スタッフの皆さん、本当に本当にありがとう!

|

« 山下達郎 Performance2011-2012 @市川市文化会館 2011.11.6 | トップページ | さかいゆう TOUR2012 “How's it going?”@LIQUIDROOM 2012.6.3 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 山下達郎 Performance2011-2012 @沖縄市民会館 2012.5.12:

« 山下達郎 Performance2011-2012 @市川市文化会館 2011.11.6 | トップページ | さかいゆう TOUR2012 “How's it going?”@LIQUIDROOM 2012.6.3 »